フケや頭皮の炎症といった症状の治療には、ケトコナゾールシャンプーが効果的だとされています。ケトコナゾールとは、いったいどのような働きをするものなのでしょうか。頭皮環境を正常化し男性型脱毛症にも効果を発揮すると注目されているケトコナゾールシャンプーについてお伝えします。
常在菌を殺菌し、頭皮環境を整えるケトコナゾールとは
わたしたちは菌と共生しながら健康な体を保っています。常在菌と呼ばれる菌は皮膚の表面だけでも200種類、約100万個も存在していると言われています。
頭皮にも、複数の常在菌がおり、マラセチアという真菌の一種は皮脂を分解し、頭皮環境を整えるために欠かせない存在です。しかし、増えすぎてしまうと異常にフケが出たり、皮膚の炎症を引き起こしたりするなどの症状が現れる脂漏性皮膚炎の原因にもなります。ケトコナゾールには、真菌を殺菌する作用があるため、適度な頭皮環境へと導いてくれるのです。
ケトコナゾールシャンプーの効用
ケトコナゾールには真菌を殺菌する作用があり、カンジダ症や水虫などの治療に広く使用されています。マラセチアを原因とする脂漏性皮膚炎の治療にも、高い効果があるといわれています。また過去には、男性型脱毛症の原因であるテストステロンの過剰分泌を防ぐ作用が認められたという文献もあり、男性型脱毛症の治療薬として使用されるケースもみられます。
当該文献では、2%ケトコナゾール含有ローションの使用で、真菌の異常増加を防ぐことや毛が太くなる、男性ホルモン分泌の抑制などの効果があるとされています。
ケトコナゾールシャンプーの副作用と使用時の注意点
現在ケトコナゾールが含まれているシャンプーは、ドクターの処方を受ける、または制限はありますが個人輸入をしなければなりません。個人輸入は健康被害のトラブルも報告されているため、ドクターの診察・処方・使用方法の指導を受ける方が安全と言えるでしょう。
また、人によっては副作用としてかゆみやかぶれ、発赤、湿疹、炎症などが起こる可能性があります。このような症状がみられた場合にはすぐに使用を中止して、医師に相談してください。