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汗が止まらない多汗症とは?

更新日:2017.10.19
公開日:2017.10.20
ドクター画像
この記事の監修者
メディアージュクリニック青山院 院長 河合厚知

日常生活の中で汗がたくさんかいてしまう人の中には、それが日常生活に支障をきたしていることがあります。この場合、多汗症の疑いがあると考えられます。ここではドクター監修のもと、多汗症とはどういう病気なのかについて解説します。

汗をかく要因がないにもかかわらず、汗をかいてしまうのは、多汗症の疑いがあると考えられます。多汗症になると、さまざまな場面で影響をおよぼすとされています。多汗症の原因を突き止め、治療することが求められます。

多汗症の症状

多汗症は手・脇・足・顔など、大量の汗をかく疾患で、その大量の汗が日常生活に大きな支障をきたすとされるほどです。多汗症には、全身性多汗症と局所性多汗症というのがあります。

・全身性多汗症
全身に大量の汗が発生するというもの。

・局所性多汗症
体の一部に大量の汗が発生するというもの。

温熱性と精神性の2種類がある

・温熱性発汗
気温が高いときや運動などによって上がった体温を冷ますために汗が分泌されるものです。頭部や背部などに現れることが多いとされています。

・精神性発汗
気温や運動などに関係なく、緊張やストレスや不安などの精神的な問題によって起こるものです。どのような場面で汗をかいてしまうのかというと、公衆の面前でのスピーチや受験などが多いと考えられます。条件が整って汗をかいているので、健康的に問題はありません。

多汗症のメカニズム

多汗症は通常にかく汗とは異なり、本人の意思や汗を掻く条件を満たしていないにもかかわらず、大量の汗をかいてしまうのが特徴です。そのメカニズムとは、自律神経のひとつである交感神経が敏感に反応し、そのことが原因で大量の汗をかいてしまうと考えられます。汗は交感神経が優位になることで、汗を分泌する汗腺が活発に働きますが、交感神経が敏感なほど、多汗症になりやすい傾向にあるとされています。

多汗症は緊張やストレスなどの精神的な要因や、甲状腺機能亢進症(バセドー病)と糖尿病などの病気や、ホルモンバランスの乱れなど、実は多汗症になる原因は多いです。そのほかに、自律神経の乱れや生活習慣の乱れ、遺伝的な要因なども含まれています。これらの要因がひとつでも当てはまると多汗症の疑いがあると考えてもいいでしょう。全身性多汗症の場合、内分泌疾患や神経系疾患などによって発生するとされます。

局所性多汗症の場合、この多汗症に種類があります。手のひらに多くの汗を掻く手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)と、足の裏に多くの汗を掻く足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)と、腋の下に多くの汗を掻く腋窩多汗症(えきかたたかんしょう)などがあげられます。

治療が必要な場合とは

多汗症の診断基準

原発性局所多汗症診療ガイドライン2015改訂版によれば、特に原因がなく、体の一部の発汗量が増加する原発性局所多汗症の診断基準は次のようになります。

・局所的に過剰な発汗が、明らかな原因がないまま6か月以上認められる。

・次の6症状のうち2項目以上が当てはまる。
1.最初に症状がでるのが25歳以下
2.対称性に発汗がみられる
3.睡眠中は発汗が止まる
4.1週間に1回以上多汗のエピソードがある
5.家族歴がみられる
6.それらによって日常生活に支障をきたす

多汗症の治療法

多汗症の治療には次のような選択肢があります。

・薬物療法
発汗を止める作用のある薬を内服します。

・外用薬
20%の塩化アルミニウムを塗布することで発汗を抑えます。

・ボツリヌス毒素注射
ボツリヌス毒素を皮膚に注射することで、発汗を止める治療です。約6か月間持続します。

・ETS(胸腔鏡下交感神経節遮断術)
内視鏡による手術によって、発汗の指令を伝える交感神経を遮断します。効果の持続を期待できます。

多汗症の治療が必要な人は基本的に皮膚科を受診します。診断によって多汗症であることがはっきりした場合、医師によく相談し、適切に治療法を選択してください。

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