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水虫の水疱を潰してはいけない

更新日:2017.06.07
公開日:2014.06.26
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この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

水虫になると、その部分の皮膚の防御機能が弱まり、雑菌による二次感染が生じやすくなります。水虫の水疱を潰すと、ただでさえ弱った皮膚に穴が開くわけですから、そこから雑菌が入り込んで合併症を起こしてしまうのです。

痒みを伴う水虫の水疱

足の指の間や土踏まず・足の側面は水虫が水疱(水ぶくれ)になりやすい場所です。最初は赤く小さな水ぶくれがポツポツとできるような状態で、そのまま放置すると小豆粒大くらいの大きさになることもあります。

この水疱は痒みも伴うため、どうしても気になってしまい、触ってしまったり潰してしまったりすることが多いようです。水疱の中の液体には白癬菌(水虫の原因となる菌)はいませんのでもし潰してしまってもそこから水虫が広がってしまうことはありません。ただし、水虫の水疱は安易に潰してはいけない理由は他にあります。

水疱を潰すと二次感染の恐れがある

水虫になると、その部分の皮膚の防御機能が弱まり、雑菌による二次感染が生じやすくなります。水虫の水疱を潰すと、ただでさえ弱った皮膚に穴が開くわけですから、そこから雑菌が入り込んで合併症を起こしてしまうのです。

二次感染が起こると、水虫のジュクジュクとした浸出液の量が増え、足の甲からスネにかけて赤く腫れて痛みを伴うようになります。さらに進行すると足の付け根のリンパ腺が腫れ、熱を持って体がだるくなる症状が出てきます。これを「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と言い、入院による治療が必要になります。

水疱を指や爪で潰してしまうと、手についた雑菌が直接侵入してしまいますので、より二次感染の可能性が高まります。痒くて気になるからといって、水虫の水疱を潰すのは絶対にやめましょう。

大きくなった水疱は潰した方がよい

小さな水疱を潰すのは絶対にやってはいけませんが、小豆粒大程度まで大きくなってしまった場合は別で、潰した方がよいでしょう。

水疱が大きくなってしまうということは、それだけ白癬菌が繁殖している状態です。そうなると、水虫とは別の「白癬疹(白癬菌アレルギー)」を起こしてしまう場合があるのです。

白癬疹になると手足に小さな水疱がたくさんできて、やがて膿がたまります。水虫の水疱と似ていますが、あくまでアレルギーによるものですので患部に白癬菌はいません。また、水虫の水疱がなくなれば自然と白癬疹による水疱も収まります。

大きくなった水虫の水疱を潰す場合は、雑菌が入らないよう最新の注意を払って治療を行う必要があります。具体的な手順は以下のようになります。

・潰す前に患部をしっかり消毒する
・消毒した針を使い、1ヶ所だけ穴を開ける
・消毒作用のある軟膏を塗ったガーゼを貼り、1日1回取り替える

ガーゼを交換しながら1週間ほど様子を見ると、患部がかさぶたになります。そうなったらガーゼを外して治療は完了です。

ただし、この治療は水虫の水疱にのみ適したものですので、他の疾患が原因の水ぶくれをこの方法で潰してしまうと、悪化させてしまう可能性があります。自己診断のみで判断せず、潰す前に専門医に相談するのが安全でしょう。

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