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この時期に怖い熱中症の症状〜発熱〜

更新日:2017.06.07
公開日:2014.08.22
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この記事の監修者
吉井クリニック 院長 吉井友季子

熱中症の症状が進むと、体温調節機能に異常が出てきます。こうなると、非常に危険な状態で、一刻も早い医療機関での治療が必要になります。体が熱いのに汗をかいていない、という症状が認められれば、躊躇せず119番に電話をかけましょう。

熱中症による発熱は非常に危険な状態

熱中症になると、体温がどんどん上がるイメージがあると思いますが、じつは必ずしもそうではありません。体の体温調節機能に異常がなければ汗の分泌は続きますので、体温は正常に保たれます。しかし、この汗が大量に分泌されると、体内の水分や塩分・ミネラルが失われ、めまいや立ちくらみ、頭痛や吐き気が起こります。これが熱中症の初期症状です。

ただし、ここからさらに症状が進むと、体温調節機能にも異常が出てきます。すると、発汗が止まり、体温の上昇が始まります。こうなると、非常に危険な状態で、一刻も早い医療機関での治療が必要になります。体が熱いのに汗をかいていない、という症状が認められれば、躊躇せず119番に電話をかけましょう。

発熱が起こる理由

ではなぜ、発汗が止まってしまうのでしょうか。まず考えられるのは、汗となる水分が体から完全に失われてしまっている状態です。この場合は、脳の機能は正常である可能性はありますが、危険な状態であることに変わりはありません。

もう一つ考えられるのは、脳が機能障害に陥り、発汗の命令を出せなくなってしまっている状態です。これは熱中症の影響が脳にまで達してしまっており、非常に危険な状態です。

もちろん、医師の診察がないと判断はつきませんが、いずれの場合も、救出率を少しでも上げるため、救急車を待っている間の応急処置も大事になってきます。

熱中症による発熱を抑えるためには

まず救急車を呼んだら、次に、濡れタオルや氷嚢などで体を冷やす応急処置を行いましょう。首筋や脇の下、太ももは太い血管が皮膚の近くを通っており、重点的に冷やすことで体中を効率的に冷やすことができます。

もし意識があり、水が飲める状態であれば、スポーツドリンクなどを少しずつ飲ませます。意識がないのに無理に飲ませるのは危険なので自重しましょう。

また、発熱があるからと言って、解熱剤を与えるのは意味がありません。解熱剤は、ウイルスや菌の感染により、脳の体温設定温度が異常に上がってしまったのを正常に下げる薬です。これにより、正常な発汗が行われ、体温が下がっていきます。

しかし、熱中症の場合、脳の体温設定温度自体は正常で、発汗機能に障害が出ることにより、体温が上昇します。ですから、解熱剤は効果がないのです。熱中症による発熱を抑えるためには、とにかく物理的に冷やすことが、現場でできる最善の応急処置と言えます。

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