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シャンプーに含まれる界面活性剤の働き

更新日:2017.05.31
公開日:2015.11.30
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この記事の監修者
西麻布ヒフ・形成外科 院長 藤井佳苗

シャンプーの洗浄成分として使用されている「界面活性剤」。洗浄力の強さから身体へのダメージが心配される成分ですが、界面活性剤はどのような働きをし、どのような影響を与えるものなのでしょうか?医師の監修のもと詳しくご紹介します。

界面活性剤の特徴と働き

界面活性剤とは、水と油のように本来混じり合わないもの同士をなじませることができる物質の総称で、水になじみやすい「親水基」と油になじみやすい「親油基」から成り立っています。

洗浄剤に配合されている界面活性剤は、汚れを落とすはたらきもします。界面活性剤には様々な種類があり、洗浄剤のほかには食品、医薬品、化粧品などの分野で使われています。

界面活性剤が洗浄剤に使われる際の特徴と主な作用には以下の3つの力があります。

浸透作用

洗濯用洗剤を例に挙げます。例えば、ウールなどの水に浸透しにくい繊維を水に浸しても、繊維の中まで水が入っていきません。しかし、界面活性剤を水に混ぜることで界面張力が低下し、繊維と水が馴染みやすくなるのです。馴染みやすくなるということは汚れが落ちやすくなるということです。これが界面活性剤の浸透作用です。

乳化作用

水と油のように相反し混ざらないものを混ざるようにする作用、それが界面活性剤の乳化作用です。界面活性剤の親油基が油の粒子を取り囲んで親水基が外側に並ぶため、水と油が均一に混ざり合うことができるのです。

分散作用

水と混じり合わずに表面に浮かんでしまうススなどは、いくらかき混ぜても分離して水となじみません。この分離を防ぐのが界面活性剤です。ススの粒子は界面活性剤の分子に取り囲まれると分離することなく、水とキレイに混ざり合うことができるのです。この性質を「分散作用」というのです。

シャンプーとしても界面活性剤の役割

多くのシャンプーの洗浄剤には、界面活性剤が使われています。皮脂や整髪料などの汚れはお湯だけでは落としきれないため、界面活性剤が使われるのです。界面活性剤に悪いイメージを持っている方も多いかもしれませんが、髪の毛、そして頭皮を清潔に健やかに保つためには必要なものなのです。

界面活性剤の主な種類とそれぞれのメリット、デメリット

合成界面活性剤は化学的に作られた界面活性剤のことで、一口に合成界面活性剤といってもその種類はさまざまです。失敗しないシャンプーを選ぶためにはまず、様々ある合成界面活性剤の特徴を知っておくことが大切です。

アミノ酸系

メリット
アミノ酸は肌細胞と同じ性質を持っているので、安全性が高く、刺激が低いことが特徴のひとつです。アミノ酸系シャンプーは弱酸性なのでたんぱく質を守りながら優しく洗浄することができます。
デメリット
優しく洗浄できる反面、洗浄力は劣る。汚れがひどい場合は落としきれない可能性もあります。
合う髪質・肌
敏感肌やダメージのひどい髪の毛。
成分表で見るべき成分(代表的なもの)
「ココイル~」「ラウロイル~」がつくもの。

ベタイン系

メリット
低刺激で安全性が高いのが特徴。保水力が高い。
デメリット
一般的なシャンプーより若干高価。
合う髪質・肌
敏感肌やダメージのひどい髪の毛。
成分表で見るべき成分(代表的なもの)
「~ベタイン」がつくもの。

高級アルコール系

メリット
泡立ちがよく、洗浄力が高いのが特徴。比較的安価。
デメリット
刺激が強く脱脂力も高い。
合う髪質・肌
油っぽい頭皮や脂性肌。
成分表で見るキー成分(代表的なもの)
「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」がつくもの。

石けん系

メリット
アルカリ性の洗浄成分。洗浄力は高いが、刺激は中間。微生物に分解される性質を持ち、環境にも優しい。
デメリット
パサつきなどの髪質に違和感が生まれやすく、カラーリングやパーマなどのスタイリングの持ちが悪くなる。
合う髪質・肌
健康な毛質、普通の頭皮。
成分表で見るべき成分(代表的なもの)
「ラウリン酸Na」

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