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ニキビ対策に摂るといい栄養素は「ビタミンB群」

更新日:2017.10.13
公開日:2015.12.24
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この記事の監修者
松林景一美容クリニック天神 院長 松林景一

軽度なニキビであれば、食習慣を整えることで十分にケアすることができます。ここでは、ニキビケアに効果のあるビタミンB群の特徴、また、ビタミンB群を多く含んでいる食材やレシピをドクター監修の記事で紹介しています。

軽度なニキビは食習慣を正すことで十分にケアできます。ニキビ対策に有効なビタミンB群の特徴と食材、レシピについて紹介します。

どうしてニキビができるのか

ニキビは、細菌が毛穴に溜まった皮脂を栄養として増殖し、炎症を起こすことによってできます。ここでは、ニキビの発生メカニズムを詳しく解説します。

皮膚に常に存在しているアクネ菌

ニキビは、まず毛穴が詰まることから始まります。毛穴が詰まると、そこに古くなった皮脂や角質が溜まります。

ニキビ薬のCMなどで、「アクネ菌」という名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。このアクネ菌は、まさにニキビの原因菌。さらには、常に皮膚に存在している「皮膚常在菌」なのです。

アクネ菌は、酸素があると活動できない嫌気性の細菌です。そのため、皮脂や角質の溜まった毛穴の奥をねぐらにします。そしてやっかいなことに、アクネ菌は皮脂を栄養として増殖し、皮脂を「角栓」へと変化させるのです。

角栓がニキビに!

毛穴に角栓ができると、その角栓が紫外線や空気中の酸素に触れることにより、「過酸化脂質」というものに変化します。

この過酸化脂質は、正常な脂質が「酸化」、つまり、「さびた」状態になってしまったもの。これが毛穴に長く留まっていると体は拒否反応を起こし、炎症を起こして赤くなったり、黄色い膿となって溜まってしまったりします。これが「ニキビ」の原因です。

さらに放っておくと大変なことに

これがさらに進行すると、毛穴が破れて膿が流れだし、炎症が広がってしまいます。こうなってしまうと皮膚の深い部分が傷ついてしまうため、炎症が収まっても痕になって残ってしまう場合があります。

場合によってはどんなにケアをしてもニキビ跡がキレイになくならないこともあります。そうならないよう、しっかりニキビの原因と予防法、治療法を知っておきましょう。

ニキビの予防法と治療法

まずニキビは、炎症を起こす前と後の2つに分類できます。さらに炎症を起こす前のニキビには、3つの種類があります。

ニキビの種類1(炎症を起こす前)

・第1段階:微小面皰(びしょうめんぽう)

毛穴が狭くなり始め、皮脂や角質がつまり始めた状態です。この段階では、まだ肉眼では確認することができません。

・第2段階:白ニキビ

毛穴の表面が皮脂でつまり、毛穴の中ではアクネ菌が増え始めた状態です。人の目でも確認できますが「小さな白い点」程度のものですので、注意深く見ないとわからない場合が多いでしょう。

角質で詰まって表面がふさがってしまっていることから、白ニキビは、閉鎖面皰(へいさめんほう)とも呼ばれています。赤ニキビと比べて炎症はしていないのが特徴です。

・第3段階:黒ニキビ

毛穴の内部の皮脂が限界まで詰まると、毛穴の表面が開きます。黒ニキビは、毛穴から顔をのぞかせた皮脂が空気に触れて酸化して黒くなった状態のことを指します。

この段階では鼻などの場合はかなり目立ちますし、その他の場所にできても小さなホクロやシミのように見えるので、気づく場合も多くなります。

ニキビの種類2(炎症を起こした後)

白ニキビ・黒ニキビが悪化すると、いよいよ赤く炎症を起こします。ここから3段階の症状があります。

赤ニキビ

一般的に「ニキビ」といわれる状態です。

毛穴の中に溜まった皮脂をエサにしてアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。正式名称では赤色丘疹と呼び、この段階から痛みや腫れが出て、自然治癒が難しくなってきます。

この段階からは治癒してもあとが残る可能性が出てきますが、それでも赤ニキビの段階では皮膚が陥没して目立つ状態になる確率は高くありません。膿を持って黄色ニキビにまで進展してしまうと、大きなニキビ跡になるリスクが高まります。

・黄ニキビ

炎症を起こして腫れあがったニキビが悪化し、膿が溜まり始めた状態が黄色ニキビです。このレベルまで悪化すると、アクネ菌だけではなく、皮膚炎の原因となる黄色ブドウ球菌も増殖しており、放っておくと炎症がさらに拡大して、毛穴の周囲まで広がる恐れもあります。

赤ニキビまでは、1つ2つ発生しただけなら自然治癒を待つ、という選択肢もあるのですが、黄色ニキビにまで発展した場合には、医療機関を受診することが第一です。この段階になると、治癒した後にクレーター状のあとが残ることも多いため、長期的に根気よく治療する必要があるでしょう。

・紫ニキビ(結節性ニキビ)

毛穴の深い部分に「膿」と「血液」が混ざり合って溜まった状態です。しこり状態となっており、触ると「ゴリゴリ」した感覚が指先に感じ取れます。黄色ニキビよりも高い確率でニキビ跡になります。

ニキビは予防や再発防止策がもっとも重要ですが、できてしまったニキビについては炎症が起こる前の段階で適切に対処することが大変重要です。ニキビができる原因やできてしまった時の対処法について正しい知識を得て、悪化したり跡が残らないように対処していきましょう。

ニキビ対策に効果的なビタミンB群

ニキビを予防・改善させるためには、スキンケアはもちろんですが食生活を見直すことが何よりも大切です。体の中からのケアで、健康的にニキビのない肌を目指しましょう。

肌にいいとされる成分の代表格は「ビタミンB群」ですが、その中でも特にニキビに効果が高いとされているのは、ビタミンB2、B5(パントテン酸)、B6の3種類です。

(1)ビタミンB2:脂質の代謝を促進

ニキビは脂質が毛穴に溜まってアクネ菌が繁殖することで悪化します。ビタミンB2によって脂質の代謝が正常になれば、ニキビ悪化および炎症の予防につながります。

(2)ビタミンB5(パントテン酸):皮脂の分泌を抑制

皮脂の分泌を抑制する効果があります。ビタミンB5(パントテン酸)はさまざまな食材に含まれ、日常の食事で十分に摂取できます。

(3)ビタミンB6: タンパク質の代謝を促進

アミノ酸代謝に用いられる栄養素です。肌のターンオーバーを整え、新しい皮膚の合成を促進します。また、ニキビ跡の色素沈着を防ぐ効果も期待できます。

ビタミンB群を多く含む食材

ビタミンB2、B5、B6が多く含まれている食材には、次のようなものがあります。

ビタミンB2:豚・牛レバー、魚肉ソーセージ

ビタミンB5(パントテン酸):豚・牛レバー、卵黄

ビタミンB6:ニンニク、マグロ、鶏ササミ、ゴマ

ビタミンB群は水溶性で、過剰に摂取した場合には尿として体外へと排出されるので、摂取過剰を心配する必要はありません。

簡単!ニキビ対策レシピ

ビタミンB群を多く含む食材を使った「ニキビ対策レシピ」を紹介します。

ニラレバガーリックソテー(材料は1人分)

豚レバー30g、ニラ1/3束、ピーマン2個、ニンニク1~2片

ゴマ油、調味料適量(醤油、砂糖、料理酒、食塩、オイスターソース)、ゴマ

(1)豚レバーを水にさらして臭みを抜き、ニンニクはみじん切りに、ピーマンとニラを一口大にカットします。

(2)フライパンにゴマ油を引き、ニンニクのみじん切りを入れ、香りが立つまで炒めてから豚レバーを加えます。

(3)レバーに8割ほど火が通ったところで、ピーマンとニラを加えてさらに炒めます。最後に調味料をお好みの量で入れて味を調え、皿に盛りつけてからゴマを振ります。

このほか、鶏ササミを使った親子丼や、肉や魚介、野菜を多く摂取できる水炊きなどの鍋物もビタミンB群が豊富な食材をたっぷりと摂ることができるので、ニキビ対策におすすめな料理です。鍋やスープであれば、汁に溶けだしたビタミンB群まで摂ることができるため、特に効率的です。

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