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睡眠障害の治療法と治療に必要な薬とは

更新日:2017.09.27
公開日:2017.10.02
ドクター画像
この記事の監修者
駒沢メンタルクリニック 院長 李一奉

眠りたいのに眠れない症状を不眠症と言います。これは睡眠障害の一種です。眠ろうとすればするほど眠れないことが特徴的です。ここでは、睡眠障害の治療方法についてドクター監修の記事でお届けします。

睡眠障害の治療方法について解説していきます。

睡眠障害は何科を受診すればいい?

睡眠障害は発症する理由が人によって異なります。そのため、どの病院を受診すればいいのかわからなくて悩んでしまうというケースもあるようです。睡眠障害は睡眠外来を受診するという選択肢もありますが、まだ数も少ないためなかなか見つけられないということもあるかもしれません。

そのようなときは、以下の診療科でも相談できますので、悩んでいるのなら一度お近くの病院を受診してみましょう。

心療内科・精神科

うつ病や統合失調症など、精神的な病を診てくれる診療科です。ストレスなどで体や心に不調が現れたときは心療内科や精神科を受診すると詳しく診断してもらうことが可能です。不眠症は心療内科・精神科、どちらでも受診することが可能です。

内科

内科とは、主に内臓系の病気を診てくれる診療科です。大学病院などではさらに詳しく専門分野に分かれていることもあります。睡眠障害を診てもらうなら、心療内科・精神科が本来の診療科ですが、馴染みのない心療内科・精神科をいきなり受診することに抵抗も感じる方も少なくないでしょうから、先ずは内科を受診されることをお勧めします。全身の不調を診てくれる総合内科があれば、なおよいかもしれません。

女性外来、婦人科

主に女性の病気をトータルで診てくれる診療科のことです。女性の方で、月経前になると眠れなくなるという場合は、女性外来へ行くとスムーズに診断してもらえるかもしれません。また、一部の婦人科でも受診してくれることがあるようです。近くに女性外来がなく、婦人科しかないという場合は、一度診てもらえるかチェックしておきましょう。

睡眠障害の治療について

睡眠障害だと診断されると、次は治療に移ります。

非薬物療法

非薬物療法とは、薬物を使わずに生活習慣を改善して治療していくという方法です。睡眠障害になってしまう原因として、生活習慣の乱れが指摘されています。具体的にはアルコールやニコチンの摂取、寝る前のスマートフォンやインターネットの操作などです。

眠る前に部屋の明るさを調節(真っ暗よりも、月明かり程度の明るさが良いとされています)して入眠しやすくしたり、音楽や読書をしてリラックスしたりといった方法が取り入れられています。また、朝起きた時は太陽の光を浴びて、体内時計をリセットするという方法も睡眠障害には効果的だといわれています。

薬物療法

睡眠障害の症状によって処方される薬は異なってきますが、睡眠薬などを処方して改善していくという方法も一般的です。場合によっては、睡眠薬ではなく抗うつ薬や抗精神薬などを処方されることもあります。

睡眠障害の薬について

睡眠障害の治療で使われる薬はたくさんあります。睡眠薬と聞くと一部の人は依存性が強い危険な薬だと思うかもしれません。しかし、最近の睡眠薬は依存性や副作用が少なくなっていますので、安全性の高い薬だと言えます。ここでは、一部の薬の種類についてご説明します。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬

不眠症の治療でよく使われている薬です。脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質の働きを促進することにより催眠効果が得られたり、抗不安作用という不安をやわらげたりする効果が期待できます。

メラトニン受容体作動薬

メラトニン受容体に作用して反応する睡眠薬です。この薬を飲むと、体内時計を調節してくれますので、寝つきをよくする効果が期待できます。ベンゾジアゼピン受容体作動薬などとは違い、依存性も少ないといわれています。特に、夜勤や海外へ渡航する機会が多く、体内時計のバランスが崩れやすい人向きの睡眠薬です。

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシンとは、脳の覚醒の維持に関わる物質です。薬でオレキシンを作用させないようにすることで、入眠できます。この薬も依存性などは少ないといわれていますが、翌日に眠気や集中力の低下がみられることもありますので、自動車の運転をする人はくれぐれもご注意ください。

漢方薬

他の睡眠薬に比べると副作用が少ないといわれています。しかし、自分に合っていないと効果が出ない可能性もあります。

睡眠障害の薬の副作用について

昔と比べると副作用も少ないといわれている睡眠薬ですが、それでも出てしまう可能性はあります。特に、初めにあげたベンゾジアゼピン受容体作動薬は、持ち越し作用や筋弛緩作用といった副作用が現れる可能性があります。

持ち越し作用とは、次の日になっても睡眠薬の効果が持続してしまうことです。酷いときは日中に頭痛や脱力感を起こしてしまうこともあります。そして、筋弛緩作用により筋肉のゆるみがおき、転んでしまったりふらついてしまったりすることもあります。特にこの症状はお年寄りに多いといわれています。

自己判断で飲むのをやめてしまうと、退薬症状という副作用が出てしまうこともあります。具体的にいうと、不眠や不安、手足の震えなどです。どうしても副作用などで薬が飲めないと思った場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

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